今回は、離婚の話し合いの進め方で注意するポイントをお伝えしていきたいと思います。離婚にあたって、第三者を入れるべきか。どんなことを話し合う必要があるのか。
離婚の話し合いで一番注意しなければいけないことはなんなのか。そういった点を具体的に解説していきます。
話合いに第三者は入れるべきか?
まず、離婚の話し合いに第三者を入れるべきかという話からしておこうと思います。離婚の話し合いをする上で、一方が感情的になるのあれば、第三者を入れることも検討が必要でしょう。
ただし、どちらかの親や友達、弁護士など一方の味方をする人を第三者としてしまうと公平な判断ができなくなってしまいます。
数の理論で押されてしまうので、第三者を入れるのであればお互いに味方をしてくれるような人を1人ずつ連れてくると良いです。
しかし、通常は離婚のことは友達や家族にも話にくいことです。また、友達もトラブルに巻き込まれたくないのが普通です。
そのため、第三者を入れて話し合いをするというのはなかなか難しいです。そうなると、弁護士ぐらいになるかもしれません。ただ、弁護士は仕事としてやってくるので、公平ではありません。
依頼者のために発言することになります。また、両方が弁護士をつけるのであれば、それは離婚調停や離婚裁判の場と同じになってしまいます。
なので、弁護士を同席させるのはおススメできません。弁護士を入れて話し合いをすることで、こじれることはよくあることです。
弁護士を最初に入れるのであれば、最初から調停から裁判を考えている人限定になると思います。
また、第三者は何も口出しせずにただ証人としてだけいるというスタンスであればいいですが、口を挟みすぎるのも問題です。
もし、第三者を話し合いの中に入れるのであれば、口を挟まないということを条件にしておくべきです。そうしないと、しっかり話合いができなくなってしまいます。
基本は、2人で話し合う。難しいようであれば、お互いに1人ずつ第三者を同席させる。そして、口出しを一切しない条件がベストだと思います。弁護士は×です。
話合うべきこと
ここからは、具体的に話し合うことについてみていきます。最低限、決めなければいけないことがあるのでそれを前提に解説します。
話合いのコツは、各分野ごとに日時を分けて話合いすることです。1つ1つ決めることに、時間とエネルギーが必要になるので1つずつ決めていきましょう。
①親権、戸籍
まず、離婚に際して最も重要になるのは親権をどうするのかということです。離婚届には、親権を書く欄があります。
親権なので、子どもがいない場合は関係ありません。しかし、子どもがいる時は離婚に際してかならず決めなければいけません。
養育費や面会、財産分与などは、必ず決めなければならないものではありません。しかし、親権だけは必ず決める必要が出てきます。
また、親権に合わせて子どもの姓をどうするのか。妻の姓をどうするのか。親権者と苗字をそろえることになるので、そのあたりのことも含めて話し合う必要があります。
親権と合わせて、子の姓や戸籍をどうするのか決めておかなければ、妻が姓をそのままにしておくには離婚から3ヶ月以内に届け出をしなければなりません。
なので、親権者を決めるのと妻の氏、子の氏や戸籍についての話し合いはセットになります。
②財産分与
子どもの姓や戸籍のことを話し合ったので、次に養育費を決めたいところですが話し合う順番は財産分与が先の方が良いです。
なぜ、財産分与の方が先がいいかというと、住宅ローンの絡みがあるからです。住宅ローンを養育費代わりにする人が一定数いるので、それを前提に養育費を決める必要があります。
私自身は、住宅ローンを養育費かわりにすることには賛成していません。しかし、財産分与の話し合いが終了しないと養育費は決められません。
財産分与では、住宅ローンやお互いの預貯金などをわけていきます。ただし、婚姻中の預貯金になります。婚姻前の預貯金や相続で受け取ったものは除きます。
そして、財産分与と同時にお互いの住む場所を決めなければなりません。住宅ローンの問題だけでなく、誰がどこに住むのかを話し合っておきましょう。
③養育費&面会
3つ目に決めるのが、養育費と面会の頻度などを決めていきます。養育費を住宅ローンの支払いにしないケースでは、相場を見て決めていきます。
裁判所のホームページにある養育費算定表を利用してもいいですが、養育費算定表と比較すると養育費の相場に比べて高い傾向があります。
なので、どちらかだけを見て決めるのではなく両方を見て考えていくとよいでしょう。ただ、協議離婚に近いのは相場の方であることは意識しておきましょう。
また、養育費についてはいつまで支払うのか。また、再婚した時はどうするのかを決めておく必要があります。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
面会については、できれば養育費と同じ日に決めてください。なぜなら、養育費は面会はセットだからです。
ずっと会えない子どものために、養育費をずっと払い続けるのは男性の心理からするとありえないことです。
また、離婚の話を子どもにする際にも、月に●回はお父さんやお母さんと会えるってことを伝えることで、子どもが安心しやすくなります。
そのため、面会交流は子どものために決めておくことが大事になってきます。
④年金分割
若い年齢での離婚であれば、それほど気にする人はいないと思います。しかし、年金をもらう年齢になると、年金分割は意識されています。
年金分割には、2種類あります。1つ目が合意分割。もう一つが3号分割です。
合意分割
合意分割とは、婚姻期間中の厚生年金を夫婦間で分割する割合を決めるものです。最大50%まで分割することが可能になります。夫婦の同意で決めるので、30%分割でも20%分割でもかまいません。
しかし、離婚審判や離婚裁判になると分割割合は50%になります。家庭のサポートがあっての夫の仕事が可能だから、ほぼ間違いなく婚姻期間中の厚生年金は50%分割されます。
合意分割が3号分割と違うところは、婚姻期間中のすべての期間について分割できるというところです。3号分割は、2008年以降の結婚で3号被保険者しかできません。
3号分割
3号分割は、専業主婦などで夫の扶養に入っているケース(3号被保険者)で、2008年4月以降は元夫の同意を得ることなく、元妻の厚生年金が分割される制度です。
2008年4月以降の厚生年金が50%に分割されます。ただし、2008年3月以前の婚姻期間は3号分割の制度がありませんので、2008年3月以前は合意分割と3号分割の両方の請求で認められます。
なので、3号分割だけですべの期間の年金分割が可能なのは、2008年4月以降に結婚している人です。
時効
年金分割の請求には、時効があります。離婚した翌日から2年になります。合意分割も3号分割も2年で時効になる点は、重要です。
一番大切なこと
ここまで、離婚をする際の話し合いの進め方からはじまって、どういったことを話し合うべきかお伝えしていきました。
ここまで、夫婦で話し合うことをお伝えしてきましたが大事な視点が抜けています。それは、子どもの視点です。
子供にとっては、離婚してもお父さん、お母さんです。本音では、離婚をしてほしくないって思っている子もいるでしょう。ある日突然どちらかの親と別れなければならないこともあるでしょう。
もちろん、離婚は夫婦がともに話し合って決めることではあります。しかし、子どもは両親と暮らしたいと思っているかもしれません。
親の顔色を見て、親の離婚に賛成することも多いです。離婚時に一番考えなければならないのは子どもの幸せを守ることです。
それは、親権を持つ親もそうでない親も同じです。子どもが納得するまで、話してあげてください。不安そうな顔をしないように抱きしめてあげてください。
離婚の話し合い、進め方で一番大切にしなければならないのは、子どもの視点です。それだけは、忘れないでください。
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