今回は、離婚するにあたって男女とも重要になるお金である養育費についてデータから解説していきたいと思います。
離婚の養育費は、両親の収入や子ども年齢・数などによって決定される算定表が広く一般に知れ渡っています。離婚裁判でも利用します。
しかし、日本では協議離婚が8割以上ですから離婚裁判で活用する養育費算定表ではない基準が必要になります。(男性側は特に)
そこで、今回は実際に養育費の金額どのくらいなのか。算定表を使わなくてもわかりやすいように、表にまとめていますので、ご参考にしてください。
養育費の相場データ
養育費のデータについては数年に一度、司法統計統計年報が裁判所より発表されています。司法統計は、夫が妻に養育費を支払っているケースとしてデータがとられています。
最新のものは、平成28年度と少し古いですが参考になります。そのデータを見ると以下の通りになっています。
子の数 | 人数 | 1万円以下 | 2万以下 | 4万以下 | 6万以下 | 8万以下 | 10万以下 | 10万超 |
1人 | 8,611 | 329 | 1,316 | 3,919 | 1,813 | 653 | 248 | 330 |
2人 | 6,231 | 241 | 799 | 2,069 | 1,510 | 774 | 404 | 433 |
3人 | 1,735 | 66 | 237 | 430 | 415 | 163 | 197 | 227 |
4人 | 223 | 14 | 44 | 47 | 35 | 30 | 21 | 32 |
5人以上 | 39 | 1 | 8 | 6 | 9 | 2 | 4 | 9 |
総数 | 16,839 | 651 | 2,404 | 6,471 | 3,782 | 1,622 | 874 | 1,031 |
(平成28年度司法統計)
このデータを見て計算してみます。
●月額4万円以下
(651+2404+6471)/16839=0.59
●月額6万円以下
(651+2404+6471+3,782)/16839=0.79
データを計算すると、最も多い価格帯は2万円~4万円の間です。全体の38%を占めます。次いで、4万円~6万円の間が22%になります。
月額4万円以下の養育費の人が59%。つまり、半数以上が養育費は月4万円以内ということです。月額6万円以下の養育費まで含めると79%になっています。
2万円~8万円の養育費の人が85%になっていますので、養育費はこのあたりで決まることが多いと言えます。
一部の年収の高い人以外は、養育費は8万円以内に収まってることがわかります。それは、子どもの人数が3人以上になってもあまり変化がありません。
養育費の相場ということになると、最も割合の高い2万円~4万円以内ということになると言ってよいでしょう。このデータは、女性であれば低いと感じるかもしれません。
しかし、このデータは全国の家庭裁判所で行われた調停の結果の金額です。裁判所の調停の結果ですから、協議離婚ではもっと低いと考えられます。
離婚して、養育費かわりに住宅ローンを支払っている男性は多いですが、この結果を見るかぎり住宅ローンを支払う方が多く払っていると言えるでしょう。
協議離婚ではこのデータを利用
協議離婚では、男性側はこれまでお伝えしてきた家庭裁判所の調停のデータをきっちりと相手に示しましょう。実は、これがすごく重要です。
なぜなら、弁護士さんがかいている書籍をみたりすると養育費算定表というのを公開していることが多いです。もとになるのは、家庭裁判所が公開しています。
裁判所で公開されている養育費算定表を見るとわかりますが、司法統計(調停)の統計データよりも養育費算定表はやや高いです。
例)子2人、夫年収500万円、妻200万円
⇒月額6万円~8万円
養育費算定表を利用すると、男性サイドからすると月々の養育費がやや割高になっています。その理由は、養育費算定表は裁判に利用するものだからです。
調停では、折り合いをつけて話し合う形で進めるので4万円以下が59%になっているわけです。なので、妻側が養育費算定表を出してきても、調停のデータをだしましょう。
そうすることで、少なくても一方的に高額な養育費になりません。協議離婚は、裁判ではないためどんなデータをもとに話し合うのか。
これによって、大きく結果が異なってきます。調停で決まった結果の方が離婚裁判で決まる養育費算定表よりも、協議離婚に近いです。
そのため、男性が離婚の際に活用するデータは司法統計を利用することをおススメします。そうすることで、少しでも有利に話し合いをもっていくことが可能になります。
養育費の相場まとめ
養育費の実際の相場(裁判所の調停データ)は、月額2万円~4万円が最も多いです。そして、月額4万円以下が59%になります。6万円以下まで広げると79%になります。
ご自身の年収などにもよりますが、男性が養育費の相場を見る時には、裁判所の司法統計を見て話し合うことをおススメします。
裁判所の公表している養育費算定表は、裁判に利用されるものであり、協議離婚で活用されるべきものではありません。
実際に、話し合いの中で男性はそういった主張をするべきです。養育費は、子どものための費用ですから払う。これは正しいです。
しかし、高すぎる場合はあなたの生活に支障がでます。男性側に支障が出てまで高額な支払いを継続するべきものではありません。
なので、現実的に継続できる金額にするべきです。支払うことができない金額を約束して、支払いがストップするよりも、継続的に支払われることの方が大切なのです。
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