離婚で話合うべき11のチェックリスト

今回は、離婚時に話し合うチェックリストを具体的に公開していきます。離婚時は、決めることが多いので、漏れがないように網羅しています。

もしこれから離婚をする。離婚の際に、話し合いでチェックするべきポイントを知りたいあなたは、最後までご覧ください。

離婚時のチェックリスト

ここから、具体的に決めていくことを解説していきます。ちなみに、決めていくのはここに書かれている順番通りにしていただくとスムーズに行きやすいです。

①親権

1番最初に決めるのは、親権になります。どちらが親権をもつのかです。親権と監護権をわけることも可能ですが、基本は同じ人が持つと良いでしょう。

親権と監護権をわけてしまうと、元妻と元夫の間で意見が対立した時に困ります。夫婦間であれば、話し合いも可能です。

 

しかし、離婚後に子どものために対立してしまってはいけないので、離婚時にどちらかに決めておくことが望ましいです。

ちなみに、監護権が日常の教育や生活などの子どもを育てる権利で、親権は法的に同意をするような権利です。

 

離婚届に、親権者を書く欄があります。なので、離婚届にサインする際にどちらか親権者を決める必要が出てきます。

②離婚届を出す人

離婚届を出す人をどちらにするのか。それとも一緒に出しにいくのか。そして、2名の証人をどうするのかという部分を決めていきます。

このあたりについては、事務的なものになります。親権者がどちらで、誰が離婚届を出すのか最初に決めましょう。

③離婚協議書?公正証書?

離婚にあたって、離婚協議書という契約書を作るのか。そして、それをまた公正証書にするのかという問題があります。

離婚協議書を作らないというのであれば、②までで終わりです。こういった夫婦も実際のところは多いです。

 

ただ、離婚協議書を作らずにあとで後悔しているケースが多いので、できるだけ離婚協議書を作成する。そして、それを公正証書にするというのがおススメです。

ちなみに、公正証書も認諾文つきかどうかで強制執行が可能かが決まります。この辺りを決めておく必要はあります。

④財産分与

離婚協議書を作成すると決めたら、次に決めることは財産分与です。なぜ、財産分与を先の方に決めるかというと、住宅の問題があるからです。

離婚後の住宅には、妻と子供が残り、夫が住宅ローンを払い続けるケースがよくあります。その住宅ローンの支払いを養育費かわり(相殺)とする人が多いからです。

 

なので、養育費を決めるよりも先に財産分与の問題。とりわけ住宅の問題から話合っていきます。

財産分与で決めること

①マイホーム
②預貯金等
③生命保険
④自動車
⑤その他
⑥引渡し方法

自宅を売却するか?しないか?

まず、これを決めます。基本的には、男性サイドはマイナスになってもマイホームは売却した方が、支払いが軽くなります。

具体的には、こちらの記事「養育費かわりに住宅ローンの支払いは男性に得なのか?データあり!」で書いています。

 

簡単に言うと、住宅ローンを支払いつづけるより、売却して住宅ローンの残債+養育費だけを支払っていく方が男性にとっては得なことが多いです。

残債が多ければ、自己破産するというのも選択肢にいれておきます。そうすれば、支払いは養育費だけになります。

 

家族で住む予定だったマイホームですから、離婚して清算するというのはごくごく自然な形です。客観的に数字で考えると、一番得になるのは間違いなく売却です。

一番最悪なケースは、住宅ローン+養育費を別に支払うことです。こうなると、自分の家賃や生活費もあるので、生活破綻していく可能性が高いです。

 

住宅ローンのところは、男性サイドの人生に大きく影響します。できるだけ、売却をしてきれいにしておくことをおススメします。

住宅ローンを養育費かわり

この選択は、最悪ではありませんがあまり良くないパターンです。なぜなら、住宅ローンよりも養育費の方が少ないからです。

養育費は、家庭裁判所のデータによると月4万円以内がほとんどです。そうなると、住宅ローンの方が明らかに支払いが多くなります。

 

そのため、養育費だけ支払っていく方が良いと思います。ただし、現実的にはこの選択をしている人が多いのも事実です。

そうであるのなら、名義を妻にして住宅ローンを支払っていくのか。それとも、名義は夫のままで住宅ローンを支払っていくのか決めておく必要があります。

 

オーバーローンになっている不動産は、離婚で最も難しい分野になりますので心配であれば専門家に相談することをおススメします。

預貯金

現預金をどうするのかという問題があります。これは、先ほどの住宅ローンともかかわってきます。マイナスの財産が多ければ、その分を財産分与しないパターンも多いです。

なぜなら、住宅ローンの支払いに全部必要なお金なので、預貯金をわけずに払っていくことが必要だからです。

計算方法

●夫婦共有の預貯金 500万円
●不動産の売れる価格 1500万円
●住宅ローンの残債務 2000万円

この場合、不動産価格と住宅ローンの残りでマイナスになります。そのため、マイナスとプラスの財産を相殺して、0円になります。

●500万円+1000万円-2000万円=0円

 

この例であれば、預貯金の財産分与は必要がありません。住宅ローンのマイナスがあるケースではこういった計算になります。

預貯金で多いケース

●夫は夫の貯金、妻は妻の貯金(共働き)
●夫と妻を合算して、折半(専業主婦)
●動産を多く受取り、貯金は少なく

不動産と住宅ローンが同額又は賃貸の時に、預貯金の財産分与で多いのは、妻は妻の貯金。夫は夫の貯金。共働き夫婦であれば、このケースが多いです。

また、妻が専業主婦であれば、お互いの貯金を合算して折半にすることが多いです。どうしても折半が納得いかなければ、自動車や家財道具を妻に譲り現金を多くするみたいな交渉をします。

 

預貯金の財産分与はだいたい、この3パターンに集約されます。あとは、割合の問題だけになります。

生命保険・学資保険

結婚を機に、貯蓄型の生命保険や学資保険をかけている方は多いです。そういった保険は、財産分与の対象になります。

解約して、解約返戻金を受け取り財産分与するのか。それとも、保険をかけつづけて子どもの進学に利用するのか。そのあたりを話し合っていく必要があります。

 

詳しい決め方については、こちらの方の記事で書いていますので、迷うようであればご覧ください。

自動車、その他

自動車やその他の家財道具は、必要な方が引き継ぐことが多いです。これらを受け取るから、預貯金を相手に少し増やすなど、基本は交渉材料に利用します。

自動車は購入時は高いですが、実際に売るとなるとすごく低い金額になります。そのため、こだわりがなければ、あくまで預貯金の交渉に利用するという位置づけになります。

 

地方在住であれば、自動車必須ですので2台もっているケースも多いです。そうであれば、1台ずつになることが多いです。

引渡し方法

財産分与を決めて、忘れがちなのは引き渡し方法です。預貯金の財産分与であれば、いつ、いくら、どこの口座に振り込むなどを明確にしておきましょう。

また、住宅についても、いつまで一緒に住んでいつから別に住むようになるのかなどを明確にしておきましょう。

⑤養育費

財産分与の次に、養育費を決めていきます。養育費で、具体的に決めることは、3つになります。

養育費で決めること

①金額
②いつからいつまで
③どうやって

金額

まずは、養育費の金額を決めます。これは、相場が裁判所の統計から出ていますので男性はこちらを利用した方がよいです。

また、家庭裁判所が公開している養育費算定表を利用するのも方法になります。どちらを利用してもいいですし、まったく関係ない金額でもいいです。

 

養育費は、子どものためのお金なので放棄することはできませんし、後から請求されると支払いが必要です。

なので、どうしても支払いが難しいのであれば安い金額を設定して、契約書にしておくと良いでしょう。ちなみに、相場はコチラから見えます。

 

また、大学の入学金などが必要になるケースは多いです。そのための費用を特別費用として、あらかじめ記載している離婚協議書もあります。

私立なのか国公立なのか。学部などにもよっても金額が大きく異なります。また、将来的な金額を書くことは難しいので、そのあたりを踏まえた記述が必要です。

 

いつからいつまで

養育費の金額が決まれば、いつから支払いを開始していつまで支払うのかというのが重要になってきます。多いのは、主に3つです。

3つのパターン

①高校卒業まで
②20歳まで
③大学卒業まで

主にこの3つなのですが、2022年4月から成人年齢が18歳に変更になったので、今後は20歳までを選択する人は少なくなるでしょう。(かわりに18歳までも増える可能性が高いです)

なので、①か③が多くなるでしょう。ただし、短大や専門学校というパターンもあります。なので、それらを補填できるような離婚協議書にしておく必要はあります。

 

男性サイドからすると、大学に入学していないのに大学卒業までとするのはおかしいと感じるでしょう。そこで、学生証を見せてもらって初めて支払う形にするなど、証明が必要です。

①にしておき、大学に入学した場合は③みたいな条文も作成できますので、そのあたりを作っていくのが無難かなと思います。

 

どうやって

これについては、銀行振り込みになるでしょう。それ以外は、ないと思っていただいて良いです。子どもの通帳に振り込むのがベストです。

⑥面会

養育費と面会はセットになりますので、養育費の次に面会を決めましょう。

面会で決める事

①月何回の面会
②宿泊つきの交流
③学校行事の参加
④メール、LINE、電話など可能か
⑤交流日時、場所、方法

面会交流については、①~⑤ぐらいまでを決めれば良いです。月どれくらい面会したいのか?学校行事の参加、スマホを使った交流など。

どこまで面会交流をしたいのか。このあたりをきちんと話し合っておきましょう。

⑦慰謝料

慰謝料については、不貞行為があったかどうか。暴力行為があったかどうかで決まります。大きくわけて、この2つです。

この2つがないのであれば、慰謝料の問題は発生しません。もし、慰謝料の問題があるのなら金額を決め、支払い方法と期限を決めましょう。

 

基本的に、不貞行為の慰謝料の相場は100万円~300万円です。そのことを理解したうえで、慰謝料を決めましょう。

⑧年金分割

2008年4月以降に結婚した夫婦であれば、年金分割を離婚協議書に書く必要はありません。法令で、按分されることが決まっているからです。

なので、2008年4月以降に結婚しているなら特に離婚協議書に書く必要がありません。戸籍など必要な書類をもって年金事務所で手続きします。

 

それより以前の結婚であれば、2008年3月以前の厚生年金(共済年金)の分割割合を話し合って決める必要があります。

最大で、折半になりますが夫婦共働きのケースでは、婚姻期間中の両方の標準報酬月額を足して、2で割るという方法をとります。

 

数字で説明すると、夫が婚姻期間の標準報酬月額が26万円。妻が32万円だとこんな計算になります。

●(260,000+300,000)/2=280,000

 

結婚期間の両方の標準報酬月額が280,000円として、厚生年金(共済年金)が分割されることになります。

⑨遅延損害金

ここまでお伝えしてきた、養育費や慰謝料など決めた金額を期日に支払わない場合の遅延損害金をいくらにするのか。

遅延損害金は、最大14.6%までになっています。それを超えない範囲内で決定していきます。

 

また、期限の利益喪失の条文を入れるのかどうかというところも、話あって決める必要があります。一度でも支払わなかった場合に、直ちに全額支払う義務を課するものが機嫌の利益の喪失です。

⑩住所変更・勤務先変更

住所変更や勤務先を変更した時、振込口座を変更した際の連絡方法を決めておきます。離婚すると、連絡することが減ります。

そのため、変更した時にどのような手段で連絡するのか具体的に決めておきましょう。急いでいる時に、連絡がつかないと困るからです。

⑪裁判所管轄

もし、離婚協議書をつくった後に調停や裁判をするには、相手方の住所地で裁判を起こす必要があります。

そのため、相手が遠い場所に引越しすれば、そこに行かなければならなくなります。そうならないように、管轄裁判所をあらかじめ合意しておきます。

 

そうすることで、調停や裁判をする際に合意した裁判所にすることが可能です。一般的には、今お互いが住んでいるところにします。

まとめ

今回、離婚する際のチェックリストを具体的11個にお伝えしました。細かくすれば、もう少しありますが、これらのチェックリストを話し合えば、離婚協議書はできます。

話合うことは、基本的に決まっています。それを一気に行うのは難しいので、数日間にわけて決めておくことがおススメです。

 

そして、何を話し合えばよいかわからないというあなたは、離婚のチェックリストとして、こちらの記事を参考にしてください。

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