離婚時の学資保険は財産分与の対象/どんな選択肢があるの?

今回は、離婚時の学資保険は、どう対処すればいいのか。財産分与で、どういった形に収めていくべきなのかを解説していきたいと思います。

婚姻中、子どもの進学のために学資保険をかけている夫婦はとても多いです。離婚時に学資保険がどうなるのか気になる人も多いでしょう。具体的に見ていきます。

学資保険は財産分与の対象

そもそも、学資保険(生命保険)は財産分与の対象になるのかという疑問があると思います。

財産分与とは

財産分与は、夫婦が婚姻中に取得した財産(不動産、預貯金、保険、車、電化製品など)が対象になります。

生命保険も貯蓄性のない掛け捨ての医療保険は、財産分与の対象になりません。しかし、貯蓄性のある生命保険である学資保険は財産分与の対象になります。

 

ただし、財産分与の大事なポイントとしては婚姻中に取得した財産というところです。そのため、再婚で、連れ子のケースはすでに満額支払っていることがありますので注意が必要です。

そういった例外を除いては、結婚して子供ができてから学資保険は加入しますので、ほぼ100%の学資保険が財産分与の対象になります。

学資保険の目的

学資保険は、被保険者を子ども契約者を親の形態にした貯蓄型の保険になります。私も積立てをしていますが、子どもが進学する時の費用として積立てています。

現在、高校はほぼ全入の時代で、高等教育機関(大学、専門学校など)の進学率も約80%あります。その時の入学金や授業料は高額であてるため、学資保険をかけている人が多いのです。

 

夫婦が離婚することになっても、子どものやりたいことや行きたい学校には行かせてあげたいと考えるのが親です。

離婚したことで、子どもは何も責任がないのに子どもだけが犠牲になるのは避けたいところです。なので、離婚時にある程度考えておく必要があります。

学資保険の3つの選択肢

離婚時に、学資保険である程度貯まったお金がある。そんな時にとりうる3つの選択肢について解説していきます。

①解約する

ここからは、学資保険で最も多い、子どもが被保険者で契約者が夫のケースでお話しします。まず、最初の選択肢は学資保険を解約するです。

離婚を機に、養育費や住宅ローンもあるから男性サイドとしてはなかなか厳しい。そんな状況であれば、解約するというのも一つの方法です。

 

学資保険をかけていない夫婦というのもたくさんいますので、何も恥じることはありません。解約しして、解約返戻金を財産分与しましょう。

財産分与の割合については、半々でもいいですし・・・協議離婚であれば6対4でも7対3でもいいです。お互いが納得して、折り合える割合を決めましょう。

 

また、あまり知られていないかもしれませんが、養育費を一括で支払っているケースも存在します。解約金をすべて妻に支払うことで、一括で養育費を支払うことにしても問題ないです。

実際に離婚調停でもそういったケースは存在します。住宅ローンやその他の支払いと合わせて、あなた自身の生活も考えて決めていきましょう。

 

離婚を機に解約する人は、実際にはあまりいません。それは、解約返戻金の方が支払った保険料より少ないからです。

しかし、離婚を機に清算するというのは新しいスタートをきるために、選択肢に入れておくべきことです。

②名義変更する

学資保険の契約者が父親で、親権者が母親という場合であれば名義変更をして、今後は親権者である母親が支払っていくのも選択肢です。

なぜなら、契約者が父親のままであると支払いがストップした時に、母親(子供)のところにお金は一切いかないからです。

 

元々は、子どもの進学費用のために貯金したものですから、それでは子どものためにはなりません。なので、名義変更が一番良いかなと思います。

また、解約はしませんが解約返戻金の金額だけだして、そこまでの金額を養育費の支払いとするケースもあります。男性は、そのあたりを話し合いで主張しても良いでしょう。

 

ただし、名義変更は保険会社によっては認めないケースがあります。そのあたりは、生命保険会社に確認しにいくことをおススメします。

名義変更できないのであれば、解約や養育費の一部にすることを考えても良いかなと思います。

③養育費の一部にする

3つめの選択肢は、そのまま父親が支払い続けて養育費の一部とする方法です。住宅ローンの時にも養育費と相殺する話がありましたが、住宅ローンの時はおススメしませんでした。

しかし、学資保険については養育費の一部を受け入れてもよいと思います。なぜなら、養育費よりも学資保険が少ないことの方が多いからです。

 

なので、養育費がもともと5万円であれば、養育費3.5万円。学資保険1.5万円みたいな考え方にすると良いでしょう。

養育費の総枠から学資保険を引くという考え方です。養育費分を引けないのであれば、学資保険は解約した方がよいかなと思います。

学資保険を継続するメリット

養育費は、月々の生活費として支払うというのが一般的です。そのため、子どもがいざ進学する際に、費用がないという問題が出てきます。

そこで、弁護士や行政書士が作成した離婚協議書ではわかりやすように、月々の養育費と別に「特別費用」とわけて記入することが多いです。

 

しかし、子どもが小さい時に離婚した場合、進学するのかどうか。また、どこへ進学をするのかもわかりません。そのため、費用が見積もれないという問題があります。

そこで、学資保険があると有効に働きます。学資保険を継続するメリットはそこにあると言えるでしょう。

 

また、学資保険はもともと子供の教育費として積み立てているものです。入学の知らせを受けて、合格通知を見て払うようにしておけば、元妻が使い込むようなこともなくなります。

そう考えると、学資保険を養育費の一部にするというのも悪くない選択だと思います。なので、おススメ順としては、②⇒③⇒①の順番になります。

 

ちなみに、学資保険を継続しなときは離婚の話し合いで「特別費用」とした金額を将来に要求される可能性があります。

しかも、それを認諾文つき公正証書にしていると、払えないと給与の差し押さえや銀行口座の差し押さえがされます。そうならないためにも、学資保険の継続は有効であると思います。

 

離婚で子どもがやりたいことを犠牲にしなくてすむように、準備をしておくのに学資保険は優れているといえるでしょう。

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